アートはコミュニケーションの起点になる。

”アートはコミュニケーションの起点になる”と題して、アート作品を鑑賞し、その感想を”書”で表現するイベントを開催しました。

 

 

参加してくださった方も素敵なレポートを書いてくださっています。

自分の殻を破るために!

 

 

印象的だったのは小学4年生の男の子の言葉です。
最初はルノワールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』が好きと言っていたのですが、最終的にはモネの『睡蓮』をテーマに作品を書きました。

 

 

その理由を尋ねると、
「この作品(ルノワール)は”楽しい”とか”明るい”という感想だけだったけど、他の人の話を聞いたり、じっくり作品を観ているうちに、『睡蓮』はいろいろな感情が出てくるようになったから」と。

 

 

まさに、こうして感性を言語化することで美意識は磨かれていくのだと思います。

小学生から大人まで、アート作品を起点にたくさんの感想をシェアし、共感し、ときには意見が異なるシーンもありました。自分自身の感性を言語化し、同時に他者の感性に耳を傾ける。これがコミュニケーションの基本でもあり、その手段としてのアートの力を改めて感じる時間でした。

 

 

次に取り上げるアート作品を何にしようかとワクワクしています。もしくは「本」や「音楽」を取り上げても面白そうです。

なお、西日本豪雨災害の支援として、本イベントの参加費の一部を広島県熊野町に支援金としてお送りしています。また、イベントで使用した筆は熊野町の名産、熊野筆です。書道界としても、引き続き熊野筆文化をサポートしていきます。

 

 

 

イベント概要

『アートはコミュニケーションの起点になる』

アート作品を鑑賞し、その感想を書道で書き上げるイベント。
使用する筆は広島県熊野町で生産された熊野筆です。また、参加費の一部を熊野町への災害支援金としてお送りします。

【イベント概要】
■日 時:2018年7月29日(日)
第一回(西洋美術) 13:00-14:30
第二回(日本美術) 15:00-16:30

■場 所:銀座ART FOR THOUGHT
東京都中央区銀座8丁目10−4
和孝銀座8丁目ビル

■イベント趣旨
アート作品を鑑賞し、その感想を書道で書き上げるイベントです。正解を探したり知識で鑑賞するアート鑑賞ではなく、思考を深めたり、コミュニケーションをしながらアートを鑑賞してみましょう。

イベントの中ではいくつかのアート作品(第一回は西洋美術、第二回は日本美術)を鑑賞し、自分が気に入った作品から感じたことを”書”で書き上げます。

その作品を、自分はどんなアートだと感じるか。
その作品のどんな表現に、自分は惹かれるのか。

同じアート作品を観ても、感じることは人それぞれです。自分の感性と思考を深めると同時に、いろいろな方の感性に触れる時間を過ごしていただければ幸いです。

【取り上げるアート作品(予定)】
第一回(西洋美術) 13:00-14:30
・『接吻』(グスタフ・クリムト)
・『水連』(クロード・モネ)
・『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』(オーギュスト・ルノワール)

第二回(日本美術) 15:00-16:30
・仙人掌群鶏図(伊藤若冲)
・神奈川沖浪裏(葛飾北斎)
・燕子花図屏風(尾形光琳), 朝顔図(鈴木其一)

【西日本豪雨災害に、いまアートができること】
先日の豪雨で大きな被害があった広島県熊野町は筆の産地です。生活インフラの復旧が急がれるいま、書道で直接的な支援ができる状況ではありません。僅かばかりではありますが、今できる範囲の支援として、今回のイベントの参加費の一部(ひとりあたり1,000円)を災害支援金として広島県熊野町にお送りします。
また、今回のイベントで使用する筆はすべて”熊野筆”です。その書き心地の良さを実感していただければ幸いです。

もう少し先の未来に、書道やそのほかのアートが力になれるときが必ずやってきます。なによりも、書道文化には熊野筆が必要です。復興が進む中で、一人でも多くの職人さんに再び筆づくりをしていただけるよう、書道に携わる者として出来る範囲のサポートを続けていきたいと思います。

【災害支援金お送り先】
広島県熊野町 総務部 地域振興課
http://www.town.kumano.hiroshima.jp/…/153109489…/index.html‬

【主催者】
書家 小杉 卓