読めなくてもいい。これは音楽と一緒に観てほしい筆線。

音楽活動をされている先輩方の新曲タイトルの制作中、

なかなかよい画が撮れたのでショートムービーにしてみました。

 

音楽はラヴェルの弦楽四重奏。

筆と和紙の音にも耳を傾けてみてください。

 

 

「読める字」を書いてしまうと「読もうとして」観られてしまうのが書の特徴でもあるので、今回は思い切って完全に読めない作品を、と意識しました。

造形や質感に着目していただけると嬉しいです。

 

 

「月縁」の二文字を書いています。

甲骨文や篆書体までさかのぼった文字の要素を一度分解し、音楽に合わせて点画を再構築していくイメージで筆を進めました。

分解する前はこのような画像のイメージです。

今回は短めの動画にまとめたので中間部分はかなり早送りしていますが、自分が想像していた以上に一枚書き上げるのに時間がかかっていることが分かりました。

シンプルに筆線や造形に着目しながら観ていただきたいこの動画ですが、ある程度読める筆跡を音楽とリンクさせていくなど、いろいろな試みができると感じます。

 

小杉 卓

 

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この期間に蓄えたエネルギーをもって覚醒したさきに、たしかな希望が見据えられることを願います。

あんなにも待ち遠しかったこの季節があまりにもあわただしく終わろうとしている。

書という総合芸術の片隅で。