何百年、ときに千年、二千年も前の書をみていると、
ずっしり重みを感じたり、うずうずしたり、ときには落ち着いたり、わくわくしてくる。
クラシック音楽を聴くときの感覚と近いような気がするのです。
色々な意味で、書を音楽みたいな芸術にしたい。
先日、大学の書道部合宿にお邪魔させてもらったときに、
一晩で一気に書き上げました。
まだまだ未熟な書ではありますが、
臨書としては久しぶりの大作(315cm×135cm)、しっかり手ごたえを感じます。
薦季直表は、およそ1,800年前(紀元221年)に書かれたとされる書。
書いたのは中国の鍾繇(ショウヨウ)。
当時は三国時代。
鍾繇は、三国志で有名なあの曹操に重臣として仕えていたといいますから、
重すぎるくらいに歴史を感じます。
書の内容は季直という人物の推薦文です。
肉付きのよい書風が特徴で、楷書の最も古いかたちをみることのできるこの書。
「書聖」と呼ばれる王羲之もこの鍾繇の書を学んだといわれています。