「宙(そら)」 (2012年12月6日)広く深く大きく。
とても尊敬する先輩に依頼されて書かせて頂いた作品です。先輩は、今は社会人として活躍されていますが、ICUに在学していたころから僕の作品を気にかけてくださり、ぜひこの字(宙)を書いてほしいと頼まれました。

彼女の「宙」への想いをどれだけ表現できるか、それまでは自分の気の向くままに筆を動かしてきた僕にとって、とてもわくわくするテーマでした。…

文字の形、墨色、大きさ、紙の形、額…
試行錯誤を繰り返しながら出来上がった作品です。
青墨に少しだけ朱墨を混ぜ、温かみのある色を作りました。水が多めの薄い墨にすることで透明感と奥行きを表現し、両サイドに大きく余白をとりおおらかな広がりをイメージしています。

飛び散った墨は、星のようなイメージ。

滲みによって煌めく光のような効果を出せました。そら、
見上げればそこにある存在。
神秘的な宇宙。
それをみたときの思想世界。とらえどころのないような、
でも温かみのある、
そんな想いを込めました。

先輩の許可を得て書道展に飾らせて頂き、
最終日に直接お渡しできたことが何より嬉しかったです。
ありがとうございました。