「ことばのまえの かぜをきいている このせかいはまだ なをもたない」 こどもの日に書いた作品です。 ことばを話し始める直前の子どもというのは、まるでまだ「世界」と「名前」とがきちんと結びついていない、揺らぎの中に生きてい […]
コトバノヲト
コトバノヲト(言葉の音/言葉ノート)。言葉の音を書きとめたノート、ブログです。書道のことはもちろん、クラシック音楽や登山などの趣味についても紹介しています。
《雨順風調四海寧》——動きながら、静けさに満ちている 五月のはじまり。夏がゆっくりと足を踏み入れてきた。空の色が少しずつ軽くなり、風が肌に当たる感覚にも、春とは違う粒立ちが混じっている。光はもう、完全に夏の角度から射して […]
——想像の翼についてのノート 「僕らはしっている空の飛びかたも」——そんな言葉がふと頭に浮かんだのは、風の強い午後だった。作業場の椅子に腰を下ろして、ただ雲を眺めているときに。理由なんてなかった。そういう言葉は、だいたい […]
また来年、と。春の余韻に立ち止まる 四月の下旬になると季節はふと足を緩める、ような気がしている。まるで何かを惜しむように、時間の歩みが少しだけゆっくりになる。 今朝、硬い小径の上で小さく深呼吸したときのことを、少しずつ思 […]
フランスに滞在していた数年前の4月上旬のこと。日本の桜をネットで羨ましく眺めながら、海辺の街・カンカルに向かった。そのとき書き残したテキストがあったので、若さゆえの少しの恥ずかしさを感じつつ、改めて文章を起こしてみる。 […]
裁縫工場 先日、富山を訪れたときに裁縫工場を案内してもらったときのことを思い出している。 北陸の風が肌に触れ、柔らかい午後の光が降り注ぐ中、その工場の扉を開けると、裁縫工場という初めての空間に自然と背筋が伸びた。ミシンな […]
月の光だけでいい 鎌倉の自宅の庭にある桜が、今週、いよいよ開花した。ある朝、ふと外を見ると、枝先にぽつりぽつりと淡い色の花が咲いていた。特に誰に知らせるでもなく、静かに、当たり前のようにそこに咲いている。こういう桜の咲き […]






