友人と、暮らしをつくる。

来月、立春の季節に「花と書」と題したワークショップを開催します。

今回のイベントを共に作るいけばなの先生である中間愛美さんは、僕にとって随分と長い時間を共にしてきた大切な友人です。

今日はイベントの案内というよりも、そんな彼女と一緒に一つの形を作れる喜びについて、少しだけ書いてみたいと思います。

人生には時として、心地よい風に背中を押されるような巡り合わせがあります。

僕らが知り合ったのは、まだ高校生の頃。

東京と栃木、それぞれの場所にいた僕らを繋いだのは、瀬戸内海の小さな島で開催された哲学キャンプでした。

その後、偶然同じ大学で、同じオーケストラサークルという一つの大きな音を作る場所で共に過ごしました。

それから長い年月が経ち、お互いに異なる道を歩んできましたが、今、こうして偶然にも同じ鎌倉という街に暮らし、それぞれの表現を続けています。

それは、まるで丁寧にシャッフルされたカードが、あるべき順番で再び手元に揃ったような、不思議で、それでいてとても自然な巡り合わせでした。

今回、「一緒にイベントをやらない?」という話が、僕にとってごく自然なものだった背景には、一つの明確な理由があります。

彼女が何よりも、自分らしくあれる「暮らし」に軸を置いて、日々を慈しんでいるからです。

彼女はいけばなを通じて、季節の呼吸を部屋に取り込むことを大切にしています。 僕が書や言葉を通じて表現したいことも、突き詰めれば同じ場所に行き着きます。

その人の暮らしが、言葉という形を得ることで、より心地よく、肯定感に満ちたものになってほしい。そんな願いです。

表現の道具は「花」と「筆」で、一見すると全く違うものに見えるかもしれません。

けれど、かつてオーケストラで異なる楽器を持ち寄り、一つの楽曲を奏でたときと同じように、根底にある「暮らしをより良く、美しいものにしたい」という想いを共有していれば、そこには必ず美しい調和が生まれるはずです。

旧知の友人である彼女となら、立春という清々しい季節の始まりを、これ以上ないかたちにできると感じています。

花を愛で、筆を走らせ、静かに自分と向き合う。

鎌倉の立春の光の中で、新しい季節を寿ぐ時間を過ごせることを、心から楽しみにしています。

小杉 卓

こんな記事も書いています