移動距離が深める創作のイメージ。ふるさと・粟野での時間と、秋のアートフェスティバルへ向けて

ギタリストの秋田さん、そして友人の中間さんと共に、私のふるさとである栃木県鹿沼市の粟野地域へ足を運んできました。

目的は、今年の秋に開催される「粟野のアートフェスティバル」に向けた下見と打ち合わせ。この芸術祭では、秋田さんと共演したパフォーマンスを披露させていただく予定です。

教室に音が響き、構想が動き出す

会場となるのは「旧粟野中学校」。 木に囲まれたノスタルジックな教室に足を踏み入れ、秋田さんの奏でるギターの音が響き渡った瞬間、空間の持つ力と音楽が交わり、私の中で表現のイメージがどんどん広がっていきました。

その場で一気にパフォーマンスの構想が見えてくる、とてもエキサイティングな時間となりました。

美しい物語の裏にある、圧倒的な意志と美意識

学校での打ち合わせを終えた後は、川沿いの山道を車でさらに進むこと約30分。廃校を活用した最新鋭の酒蔵である「小林醸造」さんへ伺いました。

廃校となった小学校舎のリノベーションと、そこでの事業継承。言葉にしてしまえば美しい物語の様相を帯びますが、お話を伺う中で、決して綺麗事だけでは成り立たない現場のリアルな物語にも触れることができました。

しかし何よりも胸を打たれたのは、酒造りを実際にカタチにしていくその根底に、揺るぎない「圧倒的な意志」と「美意識」が確かに流れていたことです。

主観と客観の交差点で、土地の魅力を磨く

この粟野という地域は、私が生まれ育った大切な場所です。だからこそ「貢献したい」と思うのは当然のことですが、単なる地元という主観的な愛着だけでなく、一人の人間としてのニュートラルな視点からも、この土地が持つ本来の魅力を磨く力になりたいと改めて強く思わされました。

創作のプロセスにおいて、イメージを深めてくれる要素は様々ですが、その中には間違いなく「自分の移動距離」に比例して立ち現れてくる領域があります。

アトリエという静かな空間で、一人じっくりと書に向き合う時間。 それと同じくらい、自ら現場へ赴き、その土地の空気や人の熱量に直接触れる時間も大切にしていきたい。

この日、粟野の地で受け取ったたくさんのインスピレーションを胸に、秋のアートフェスティバルに向けて準備を進めていきます。本番のパフォーマンスを、ぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。

小杉 卓

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