自然の素材と対話し、手でつくる喜び。竹灰染めの麻生地に竹墨で書く「暖簾」の制作

いよいよ梅雨が始まった週末。しとしとと雨が降る中で、とても爽やかで心地よい素材とともに制作の時間を過ごしました。

今回制作したのは、共に「花と書」を主催する中間さんの活動のための「暖簾(のれん)」です。

街の自然から生まれた、特別な素材たち

今回の暖簾に使ったのは、竹林再生・整備の活動の中で生み出された「竹灰」で染め上げられた麻生地。そして、そこに文字をしたためるために用意したのは「竹墨」です。

普段の書で使っている和紙や墨とは、滲み方や筆の走り、色の乗り方がまったく異なります。

予想もしない素材のリアクションにハラハラ・ドキドキしながらも、「どうすればこの素材の美しさをいちばん生かせるだろうか」「思い描く世界観をどう表現しようか」と探っていく時間。

二人で辞書を引いて言葉のニュアンスを確かめたり、背景にある世界観や音楽に思いを馳せたりしながら、少しずつ、少しずつ形にしていきました。

「コントロールする」のではなく、「目の前にあるものを整える」

自然の中から生まれた素材は、決して人間の思い通りにコントロールできるものではありません。

目の前にある独特な質感や色の揺らぎを受け入れ、自分たちの手を介して少しずつ調和するように整えていく——。今回の制作は、まさにそんな感覚の連続でした。

自分たちの手でゼロから形にしていくことは、時に手間がかかり、時間も必要とします。

それでも、身をもって試行錯誤しながら作ることでしか見えてこない「かたち」や「ぬくもり」が確実に存在します。そして何より、これほどまでに心が躍る豊かな時間を効率や利便性のために手放してしまうのは、あまりにももったいないことだと感じます。

雨の季節に生まれたこの暖簾が、これからめぐの活動の場で多くの方をお迎えしていくのが今から楽しみでなりません。

小杉 卓

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