2018年書道活動総まとめ

おかげさまで今年も一年間も書道活動を続けることができました。

年明けすぐに個展を予定しておりますが、その前にしっかりとこの一年間を振り返ろうということで、作品と活動をまとめました。

 

去年2017年の年末には何をしていたかと思いだすと、ヴェネツィア大学で講演する機会をいただき、書について学生と活発に交流を持つことができました。

『僕がヴェネツィアで語ったこと、書いたこと』~大学での講演と書道パフォーマンス~

 

そしていよいよ2018年を迎えたわけです。

 

【1月】2018年の幕開けはMAZDAの”魂動”

マツダ, フランスのイベントでパフォーマンスさせていただきました。

会場はInvalides。パリで考えうる最高の舞台で、尊敬する企業の言葉を書かせていただくという、心震える時間。マツダのコンセプトである『魂動(こどう) Soul of Motion』の言葉を揮毫させていただきました。

【MAZDA ”Kodo(魂動)”】パリでの書道パフォーマンス

 

そしてパリでの個展をスタートさせて、日本に帰国。

 

【4月】日本帰国後初の個展

そして帰国後初の個展は、お世話になっているART FOR THOUGHTにて。

 

書展「黒と言葉」作品まとめ

 

【4月】ポルトガル・オリエント美術館での講演とパフォーマンス

在ポルトガル日本大使館からお声かけいただき、リスボンにあるオリエント美術館にてパフォーマンス、講演、デモンストレーション、ワークショップを行ってきました。

パフォーマンスでは、ポルトガル人の尺八奏者の「さくらさくら」に合わせて「世の中に絶えて櫻のなかりせば 人の心はのどけからまし(在原業平)」と「百花繚乱」を揮毫しました。

ポルトガルでの書の講演とパフォーマンス

 

【4月】ベルギーで即興演奏とのコラボレーション

会場は昔のアトリエ・サロンだった建物。第二次世界大戦のときにはユダヤ人やポーランド人をかくまっていたという歴史がある建物でした。西洋画に囲まれた空間で、真っ黒な表現。まさか裸婦画の前で書道をする日が来るとは。

「即興」のスリルと難しさ、そして心地よさを身をもって感じた、ベルギーでの2公演でした。

 

教会と歴史あるサロン ~ベルギーでの2つの書道パフォーマンス~

 

【5月】今年も結婚式に書を提供させていただきました

(歩 ~HUG for ALL~)

今年も結婚式という大切な場に書を提供させていただきました。

 

(進 ~心の躍動と共に~)

 

【6月】渋谷ヒカリエでの展示『体験する書展』

渋谷ヒカリエでの展示は、観てくださる方の想像力と表現力を高める空間を目指しました。

そして『書道は、もっとできる』
この想いをあらたにした1週間の展示でした。

単に「みる」、「読む」だけではなく、作品を通してコミュニケーションを深める。そんな文化をもっともっと根付かせていきたい。

お越しいただいた皆様、ありがとうございました。みなさんが感じたことや考えたことに、作品が一つのトリガーとして貢献できれば書家としてこれほど嬉しいことはありません。

体験する『書』展

 

【7月】イベント「アートはコミュニケーションの起点になる」

”アートはコミュニケーションの起点になる”と題して、アート作品を鑑賞し、その感想を”書”で表現するイベントを開催しました。

小学生から大人まで、アート作品を起点にたくさんの感想をシェアし、共感し、ときには意見が異なるシーンもありました。自分自身の感性を言語化し、同時に他者の感性に耳を傾ける。これがコミュニケーションの基本でもあり、その手段としてのアートの力を改めて感じる時間でした。

アートはコミュニケーションの起点になる。

 

【8月】コワーキングスペース「五番地」ロゴデザイン

 

山梨県南部町の「泊まれるコワーキングスペース 五番地 / GOBANCHI」のロゴを制作させていただきました。

代表を務める鈴木 太郎 (Taro Suzuki)さんとはパリで出会い、ワクワクする話もくだらない話もたくさんした。尊敬する友人と仕事をさせてもらえることが、すごく嬉しい。

コワーキングスペース「五番地」ロゴデザイン

 

【9月】今年2回目の個展のテーマは「音楽」

『音と言葉の間』をテーマに、音楽から着想を得た書道作品を十数点展示。

ドビュッシーやラヴェル、ショパン、大好きな音楽を書の表現にしました。

 

【9月】音と言葉の間 -音楽と書の協演-

大ホールの舞台で、ピアノとオペラと巨大な書。

表現にあたってたくさんのリスク・反省点、そしてオペレーションの至らない点もありました。

それでも、一心に表現に向き合えるのは私たち3人が音楽の、そして書の確かな可能性を信じているからだと思います。

次は、さらにいい舞台を作りたいと思います。

音楽と書道のパフォーマンスで、何をつくれるのか。

 

【10月】ICU書道部ロゴデザイン

母校、ICUの書道部が部のポロシャツをつくるということで、
その書をご依頼いただき、書きました。
相談をいただいたときには『せっかくなら現役部員が書いた方がよいのでは?』ともお話しましたが、『今年だけではなく代々着られるデザインを作りたい』という部員の方々のご希望と、創部者ということもあり、ありがたくお引き受けしました。

ICU書道部のロゴデザイン

 

【11月】ロゴを提供させていただいたチームがビジコンで優勝

「天地人」のタイトルを提供させていただいたチームが、宇宙ビジコンで見事にトリプル受賞!これは嬉しい。

チームリーダーは前職マイクロソフトの同期。

同期の活躍にはいつも大きな刺激をもらいます。

 

 

 

【12月】モダンダンスとの創作

モダンダンスとの創作。揮毫したのは「百花繚乱」と古今和歌集の和歌。
今回は「冬」と「賀歌」から3つの和歌を選びました。和歌を通して、過去と未来(春)を行き来するような不思議な感覚でした。そして今目の前にある冬は、和歌が詠まれた千年前にも同じように寒く暖かくあったのだろうなと思います。

モダンダンスとの創作

 

 

 

ということで、今年もたくさんの場所で書かせていただきました。

まだまだ紹介しきれない作品・ロゴ・パフォーマンスがたくさんあります。

 

個人のお宅へ巨大な作品を納品させていただいたり、

 

名刺やサインをデザインさせていただいたり、

 

Tシャツやお子様の御名前を書かせていただいたり、

 

フランスつながりのご縁でお話をさせていただいたり、

同世代の書家の方とイベントを開催したり、

企業ロゴデザインや企業のイベントでパフォーマンスさせていただいたり、

 

 

それぞれの書を一つひとつの記事でしっかりとお伝えしなければならないのですが、まだまだ記事の執筆がおいつきません。来年への大きな課題です。

 

そして年明け1月にはさっそくの個展を予定しております。

個展のお知らせ【2019/1/7(月)-12(土)@銀座】

ぜひお誘いあわせの上お越しいただければ幸いです。

 

2019年もたくさんの空間・時間を書で作り上げていきます。

まだまだ未熟な表現者ではありますが、ご指導、そしてご支援のほどよろしくお願いいたします。

よいお年をお迎えください。

 

小杉 卓

 

こんな記事も書きました

『手で書く』ことは、小さな満足を手に入れること。

文字を書にするために、美意識という圧力をかける。

そろそろ僕らは「自分の手段」を手に入れるかもしれない。