残酷なことだけど、下手になるスピードは上達するスピードよりもはるかに速い。

ピアノを習っていたころ、

「1日練習をさぼると3日分(だったかな?)下手になる」という話をよく聞いた。

練習が大嫌いで、たいして上手くもなかったから、下手になるも何もなかったのだけど。

 

 

当時は、上達するスピードと下手になるスピードは違うのかと不思議に思っていたけれど、書道にしっかり取り組むようになってからはそのスピードの違いを身をもって感じている。

 

 

たいていのことにおいて、時間に比例する上達曲線はこんな感じではないかと思う。

 

大きく3つくらいの時期に区分できる。

まず、最初はなかなかうまくならなくてやめてしまいたくなる時期だ。

うまくならないというか、そもそもうまくできない。

 

でも、あるタイミングからはどんどん上達する時期になる。

まさにマリオでいうところのスター状態。向かうところ敵なし気分。

やればやるだけうまくなる、一番楽しい時期かもしれない。

そして、自分天才なんじゃないかと思いあがる。

 

でもそんな時期は長くは続かない。

ふと気づくと、ほんの少しずつしか上達できない時期に突入する。

そして、自分がけっして天才ではなかったことに気づく。

 

書道はもちろん、ピアノとかスポーツとか、経験的にこんな感じだ。

ある程度できるようになってくると、そんなに急には上達しない。

 

でもそのスピードに耐えければいけない。手を止めてはいけないのだ。

なかなかうまくならないことにしびれを切らして立ち止まろうものなら、上達が止まるどころではない。

 

 

 

みるみる下手になってゆく。赤線みたいに。

そして皮肉なことに、下手になるスピードは上達するスピードよりもはるかに速いのだ。

 

1日、2日くらいでは、その事実には気づかないかもしれない。

でも1週間、10日と時間がたつともう手遅れだ。

「あれ、こんなはずじゃ、、、」となる。

 

そういえば、人の信用を築くのは大変なことだけど、信用を失うのは一瞬とも言いますね。

 

何事も、練習するにあたって「うまくなりたい」と思って取り組むのは当然だ。

しかしある程度のレベルになってくると、それに加えて「下手になってはいけない」という危機感も大きなモチベーションになっている。