パリにいったい何があるのか。

「パリにいったい何があるのか」
26歳最初の書き物として。

誕生日メッセージをくださった皆様、ありがとうございました。

26歳になった翌日は越後湯沢にスキーに行きました。
夕日に染まる山々の雪と薄紅の空を眺めながら、人のいないゲレンデをのんびり何も考えずに滑りました。とか言えたらかっこいいけど、久しぶりのスキーだったから最初はけっこうハラハラしました。

さて、26歳の抱負は「考えないこと」。

ちなみに24歳は「灯す」、25歳は「炎のように」がテーマでした。燃え盛るような立派な炎にはまだまだ程遠いけれど、灯した火は着実に大きく、激しくなってきました。

何を考えないのか。
《脱力》ではなく《瞬発力》の、考えない。

やるとなったらもちろん作戦は練る。ですがしかし、やるかどうかの判断のタイミングで考える隙を作ってしまうとどうしてもリスクばかりが気になってしまう。スピードが鈍るし、そもそも「やらない」という選択をしてしまうかもしれない。「これはどうだろう」と思いついた時点で自分の琴線に何かしら触れるものがあったということだから、それで十分にやってみる理由になる。まず直感のもとに、思いつくままに取り掛かる。そうでもないとチャンスに乗り遅れる。考えるのはそれからでいい。やってだめならやり方を変えればいい。

とにかくやる。
一に行動、二に行動。

そして、日本マイクロソフトを退職しました。
来年の春から一年ほどパリに行ってきます。
この一年間は書道活動に集中します。

なぜパリか。
19世紀のジャポニスムに始まり、その感性はある意味では我々日本人よりも敏感に日本文化をとらえているかもしれないからです。ドビュッシーの名曲、交響詩「海」(1905年出版)の楽譜の表紙は葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」でした。

そして僕自身が、マネ、ルノワール、ラヴェル、ドビュッシーなどのフランスの絵画、音楽が大好きだからです。そんな作品が生まれた空気の中で、書道を成長させたいからです。

パリへの憧れはもしかすると幻想かもしれません。でも、もしかすると期待以上のものを感じられるかもしれない。そしてそれはおそらく、パリという街の問題ではなく僕自身の問題です。こればかりは向こうに行ってみないことには分からないことです。観光ではなく、じっくりとその生活に浸ってみないと分からないことがあるはずです。少なくとも今のままでいたら、このままです。

10年以内に、書でデザインされた服をパリコレのランウェイに持っていくことが目標です。

2月末まで日本でできる限りの準備をします。応援・ご協力いただけたら幸いです。