書道の基準をより質の高いものにしていくために、 先人たちの書をまね、学ぶ。

 

「魂走 ~soul run~」

お世辞にも上手いとは言えない書。
でもすごくまっすぐに表現できた書。

僕 「書道やってみようよ」
○○さん「えー私すごく下手だからさー」
こういうやりとりが結構ある。

僕は思うんです。
「上手な」字より、
「良い」字を書けるようになろうよ!
下手でも良い字はいっぱいある。
逆もまた然り。

自分で言うのもアレですが…
僕にとってこの作品は、
良い字だな、って思える作品なのです。

ではいったい「上手い」「下手」とか「良い」「悪い」の基準て何なのでしょう。
「習字」であればお手本があるから、
いかにお手本に忠実に表現できているかが上手いか下手かの基準になる。

「書道」にはいわゆる「基準」みたいなものはない(と思っている)。
そこが面白くもあり難しくもあると思うのです。
○○会みたいな書道団体に所属していると、それぞれ独自の特徴があって、
ある意味ではそれが基準になるかもしれない。
でもそこに普遍性があるかといわれれば、ないと僕は思う。

僕みたいに個人でやっていると、
そこらへん(上手い下手の基準)は曖昧になってしまいがちだけど、
僕なりに納得できる「レベル」というのはあって、
それが僕の中での基準とも言えるかもしれない。

そのレベルなり基準をより質の高いものにしていくために、
先人たちの書をまね、学ぶ。
書道に限らず多くの経験をつみ、美しいものに触れる。

「魂走」に関して具体的に批評するならば、
「魂」の「鬼」の部分の筆の流れのぎこちなさ、
「走」の下半分の線の単調さ、
あたりが納得いかなかった部分。