槍ヶ岳に登ってきました

先週末、北アルプスの槍ヶ岳に登ってきた。
東京から松本への移動もふくめて4日間の行程。

 

初日、松本へ。
台風11号の影響で天気は大荒れ。
松本まで移動できなければキャンセルしようと考えていた。
電車は運休となっていたが、高速バスで難なく移動完了。
その後も常に天気予報を伺いながら、進退を考える。

 

2日目、上高地からスタート。
台風が日本海に抜けてからの方が北アルプスの天気は荒れるということで、雨を覚悟してのスタート。
というのも、3日目からは台風一過の晴天を期待していたからだ。
この日は豪雨のため予定していたテント泊を諦め、山小屋に。

 

3日目、この日も雨か。
天気とは本当に人の力の及ばないもので、昼頃から雨。
槍ヶ岳山荘まではたどり着いたものの強風と雨のため槍ヶ岳の山頂へのアプローチは困難と判断し、
テントの設営。
半ば意地で張ったテントも、夜の暴風雨にはなかなか怖いものがあった。

 

そして4日目。
朝目覚めると雨は止んでいた。
期待を膨らませてテントを開く。

 

。。。

 

一面真っ白の霧。
山頂へのアプローチをこの時点で諦めた。
ふう。結局カメラはずっとザックにしまいっぱなし。
ここまでの3日間、一度も青空を仰ぐことができなかった。
などと考えながら、朝食。

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本当に突然だった。
朝食を終えてテントを片付けていたら、雲の切れ間から青空が見えた。
どんどん青空が大きくなる。

 

 

「、、、よし、今なら頂上まで行ける」
急いで荷物をまとめて頂上を目指した。
雲に覆われた、かと思えばからっと雲が切れたり、
さらには吹き飛ばされそうな暴風。
頂上までの道も壮絶なものがあった。
でも、雨は降っていない。

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登り着いた頂上から見えたのはこれまで見たことのないほどに躍動する雲海、
そして虹。

 

雲が目下の山の尾根を「ぐおおおおおお」っと流れていく。

我々が尾根に張ったテントはまさにその流れの底にあったのだ。
雲海というと遠く穏やかに広がるようなイメージだけど、これは全然違う。
大きな波がうねっているようなそんな雲海だ。

大荒れの海であれば波の音こそすさまじいものがあると思うが、雲海は無音だ。
これほどダイナミックな躍動を魅せる景色が、何の音もしないというのは不思議な景色だった。

 

何分頂上にいたかは分からない。
立っているのもつらいほどの暴風でとにかく必死だった。
それでも、このほんの数分のためだけにでも、
ああ、もう本当に、、、登ってよかった。

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そこからの下山道は、これまでの3日間分の晴天を一気に身に浴びるような強烈な日差しの中を、上高地まで下りた。かなり日焼けした。

 

そうしていま、凄まじい筋肉痛に悩まされながらそのときの写真を振り返っていると、
正直、めちゃくちゃ厳しい場面の連続だったなあと。
天気予報を見事にかわして降り続ける雨。
状況によってはいつ撤退してもおかしくない天気だった。

 

それでも、この4日間で感じたこともたくさんあって。
頂上に立つって、こんなに気持ちがいいんだということ。

実を言うとこれまでの登山では登ること自体に楽しみを感じていて、
頂上に到達したときの「達成感」をそれほど強く感じたことはなかった。

でも、これだけずーっと前から楽しみにしていた登山で、ずーっと雨にじらされて、
ようやく登りついてみた景色の爽快感は、最高だった。

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やっぱりまた、登りたくなっちゃうんだよな。

 

なかなか無茶な天気の中、一緒に登ってくれて、

4日間いろいろな場面でサポートしてくれた友人に心から感謝。

ありがとう。