akebono, tsutomete

「akebono, tsutomete」 (Feb 4, 2015)

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写真は、友人が夜明けの東京都心を高尾山から撮影したものです。
この写真と、そのタイトル「akebono, tsutomete」に、
ひた走る「東京の街」と「古代日本文学」という対照的なイメージが紡ぐ魅力を感じ、
品にさせてもらいました。

配した言葉は「歳美(さいび)」です。

春はあけぼの。
冬はつとめて。

言わずと知れた「枕草子」の文言です。
「あけぼの」も「つとめて」もいずれも早朝の時分を意味します。
一方で、枕草子の夏と秋の段では「夏は夜」、「秋は夕暮れ」というように、
日暮れの時分を表現しているというのは興味深い。

早朝にこそ、この時期(冬、春)の妙があるのかもしれません。
ぴんと張った空気、満ちてゆく光に、古代から日本人は何を感じてきたのか。

折しも「立春」の今日、
早朝のカフェで朝日をいっぱいに浴びたコーヒーをすすりながら、
そんなことを考えていました。